「漢字」の話に生徒も納得。私自身、教える幅が広がりました。

漢字教育士 秋山克彦 さん (神奈川県在住)
篆刻教室、(公財)日本漢字能力検定協会「漢字教育サポーター」、漢検準1級取得

受講後、篆刻を教える時に役立つと実感。

この講座を受講し始めた当初は、自分が篆刻教室で教えることに活かせるとは正直思っていなかったんです。ただ篆刻を教える者として、「白川静先生の『字統』くらいは読んでおくべきかな」と仲間うちでは話していました。漢字や文字は、講座を受講する前は“篆刻の素材”という程度でしか捉えていませんでしたから、その意味や成り立ちまで意識することはありませんでした。しかし、実際に講座を受講すると、篆刻を教える時に活かせると思える講義がたくさんありました。

“漢字にまつわる話”に生徒も納得。

例えば、篆刻教室で「家」という字を課題にする際、以前なら、あえて極端に言えば、その文字を生徒に伝えて「さあ、刻りましょう」で始めていました。しかし、講座で白川文字学(漢字学各論Ⅰ)を学んだことで「甲骨文字 → 金文 → 篆書」への変遷や、本来備えている意味といった“漢字にまつわる話”ができるようになりました。また、そうした話をすると、生徒も「なるほど」と納得してくれます。刻る漢字の周辺知識を得れば生徒も篆刻に向き合う姿勢が違ってきますし、何より私自身、教える幅が広がったという意味で講座の受講は本当に有意義でした。

漢字教育士の仲間から刺激を受けることも。

 講座で漢字の専門知識や教えるノウハウを学べたことは本当によかったのですが、それと同時に“漢字教育士の仲間”を得られたことも、私にとって大きな財産になっています。時々、漢字教育士の仲間が集まり、「私ならこのように漢字を教える」という研鑽会が開催されます。そのあと反省会と称して居酒屋に集まりますが(笑)、そういう場では、漢字に関わる話や漢字教育士として活躍している話で大いに盛り上がります。これが刺激になり、私も教える時の参考にさせてもらっています。今は篆刻を教える中で漢字にまつわる話もあわせてしている程度ですが、今後、機会があれば本格的に漢字教育士としての活動にもチャレンジしていきたいです。

※ 取材協力:(公財)日本漢字能力検定協会