経験を重ねるごとに新たな発見。毎回子どもたちから刺激を受けています。

漢字教育士 丹羽 孝 さん (奈良県在住)
(公財)日本漢字能力検定協会「漢字教育サポーター」漢検準1級取得

今回は「漢字が大好き!」という子どもたち

漢字教育士の資格取得後、今年(2013年)から本格的に活動を始めており、地元・斑鳩町の小学校で行っている「放課後教室」の実施は早くも3校目に至りました。これまでを振り返ると、1校目/斑鳩小学校は「漢字が好き!」、2校目/斑鳩西小学校は「漢字が嫌い…」という子どもたちでしたので、今回の3校目/斑鳩東小学校がたとえ「好き・嫌い」のどちらであっても「経験上対応できる」と考えていました。しかし見事に予想は裏切られ、“好き”のさらに上をゆく「漢字が大好き!」という子どもたちでした。

話すだけでなく「絵」を交えて説明する

これまでの「放課後教室」と同じく、まずは小学校で習う漢字の数、簡単な漢字の書き順(「右」と「左」)などを質問しながら進めていきます。そして今回は「漢字が大好き!」という子どもたち向けに、漢字の相互関係も紹介。具体的に「女」→「母」→「好」→「乳」の関連性の話をしました。各漢字の古代文字を板書し、「“女”に“乳房”の印が付くと「母」だよ」「“女”が“子”を抱えると「好」の漢字に」「“母”が“子”を抱えておっぱいをあげると「乳」になる」と説明すると、子どもたちはとても感心していました。

次は高学年向けの授業にもチャレンジしたい

「放課後教室」の生徒は小学2年生。当然、板書の授業だけではみんな飽きてきます。ですから教える側も工夫が必要で、私は毎回漢字カルタを行っています。漢字カルタとは一枚のカードの表裏に古代文字と現代の文字を書き、何の漢字かを当てるクイズ。この遊びを始めると子どもたちのテンションは一気に高まり、休憩時間になっても「見せて!」と集まってきます。漢字教育士の資格を取った頃は大人に漢字を教えたいと考えていましたが、今ではパワーを秘めた子どもたちに魅了され「止められない!」と思うまでに(笑)。次はぜひ高学年にチャレンジしたいですね。

※ 取材協力:(公財)日本漢字能力検定協会